2021.12.23スタッフBlog
身体を揉むことに対する効果は科学的根拠があるのか?
「肩が痛い」「腰がだるい」疲れた時に利用する揉みほぐしマッサージやボディケアは
楽にはなるけれど、またすぐ戻ったりの繰り返しが現実です。
本当に効果はあるの?揉みほぐしマッサージのやり方に正しい方法はあるの?
そこで今回は揉みほぐしマッサージやボディケアの効果に対する科学的根拠について探究してみましょう。
目次
- ○ そもそも揉みほぐしってどんな事をするの?
- ・筋肉をさする
- ・筋肉を押す
- ・筋肉を伸ばす
- ○ 揉む事で起こる身体の反応
- ・温かくなる
- ・軽く感じる
- ・動く範囲が広がる
- ○ 揉みほぐしで起こる変化の解剖学的なやさしい解説
- ・筋肉と神経の関係
- ・刺激はどう処理される
- ・だから得られる揉みほぐしの効果
- ・まとめ
そもそも揉みほぐしってどんな事をするの?
筋肉をさする
さぁ、揉みほぐしが始まりますよ!
の最初に身体をさすられた経験はございませんか?
あれは「軽擦(けいさつ)」といい、セラピストは手に力を入れずに軽い力でゆっくりと軽く摩る技です。
熟練のセラピストであれば、軽くさする事で筋肉の膨隆や皮膚温度の低い箇所、筋肉の緊張度合い、皮膚のひきつれなど身体の情報を感じ取る大事な技の一つ。
お客さんとして揉みほぐしマッサージやボディケアを受ける私たちからすると、優しくゆっくりさすってもらう事で、身体の緊張がほぐれ、力が抜ける、この人に身体を委ねるという私たち受け手と、セラピストとの一番最初の挨拶のような時間です。
そう言えば、いきなり強く押されるとびっくりしますものね。
意味があったのですね。
筋肉を押す
凝り固まった筋肉を押された時に感じる痛いと気持ちいいの間。
痛気持ちいい、あのなんとも言えない感覚。
たまりませんよね。
それとは逆にもう少し横なのに。もっと強く、いやもっと優しく・・・
筋肉を押されるあの技はいわゆる「指圧」「押圧(おうあつ)」と言われる技の事を言います。
ただ単に指を使って押されているだけと侮るなかれ。
見た感じは同じ事をされたのに、あるセラピストさんにやられたら翌日、重だるくなった。また別のセラピストさんにやられたら羽が生えたように身体が軽くなったなんて事はありませんか?
この違いはセラピストさんの体重のかけ方、つまりセラピストさんの身体の使い方の違いも大きく関係しているそう。
凝り固まった筋肉の捉え方が力ずく且つ、手先の力での施術なのか?
物理で習った慣性の法則を上手に使った深部まで届く押し方か?で結果が違って来るのですね。
筋肉を伸ばす
筋肉を伸ばす=ストレッチと聞くと「痛いから嫌い」「スッキリ気持ちいい」とさまざまな意見と感想が寄せられました。
なぜ、痛い人と気持ちがいい人がいるのでしょうか?
そもそも至極当たり前の事なのですが、筋肉は必ず1つ以上の関節をまたぎます。関節をまたぐ事で筋肉の収縮がある関節を曲げ縮ませ、またその関節が縮む事で別の筋肉が伸ばされ、、、伸びる縮む、伸びる縮むの連続で身体を動かす事につながるのです。
そこでストレッチは筋肉を伸ばす事に加え、ジョイントとなる関節を考える事で無理なく効果的に行えます。
まず、筋肉はコラーゲン繊維の塊です。
コラーゲン繊維は40度以上に温められると伸張性が増す事がわかっています。
しっかり身体を温めて行うストレッチの方が痛くなさそうです。
そして一言で関節と言っても形状は様々です。
丸いソケットのような関節は(肩関節や股関節)は球関節と言ってグルグル可動性が大きな関節。
肋骨と胸骨のように微動だにしないように見えるところも実は関節。
形状を理解・意識して行うストレッチの方が効果がありそうですね。
揉む事で起こる身体の反応
温かくなる
冷え切った足先を丁寧に揉み解されたら、足先にポカポカ血が通ってきたのが分かる。
こんな経験をされた方も少なくないでしょう。
これはその箇所が押された事によって、一時その箇所の血液はストップされ、離された時にザッと血液が流れ込むと言う揉みほぐしによって起こる血管のポンプ作用の賜物。
そもそも冷えた箇所、凝り固まった箇所は血流量が良くない箇所である事が多い為、揉みほぐしで強制的に血流量を上げられると温かく感じるのですね。
軽く感じる
筋肉が凝り固まる、疲労度が増すとその筋肉内の血流量は減少した状態になっています。
そのような中、脳から動けと言う命令が出た場合、筋肉内では血液から供給される栄養や酸素は最低限の働きを最優先に行う為に使われます。
また筋肉に一定量の血液が流れ込むと、筋肉は最低限の働きを行う事から余裕が出てきます。
その筋肉に出来た余裕が軽く感じる正体です。
俗に言う疲労物質が流れたと言うのもこの事です。
血中の酸素濃度が大きく関わるのですが、難しい事はさて置き、血液の流れがいいと筋肉を良い状態で維持する事ができるのですね。
動く範囲が広がる
揉みほぐしに寄って筋肉の血流量が増し筋肉内のコリが取れると、筋肉の収縮性・柔軟性が改善されます。
すると関節にかかる伸張性も変わってきます。
関節が本来の可動性を取り戻すと、構造的にバランスを取り合っていた筋肉が引っ張り合いをしなくて済むような姿勢が取れるようになります。
引っ張り合いをしなくて済むと余計な力を使わず行動、動作を行えるようになります。
伸びなかった膝が伸びた。腰がひねれるようになった。肩が痛くないから棚の上の物がストレスなく取れた。など、動く範囲が広がると生活の質も変わりますね。
揉みほぐしで起こる変化の解剖学的なやさしい解説
筋肉と神経の関係
痛い、重だるい、軽い・・・この筋肉に感じる感覚は全て神経を介して私たちは感じています。
簡単に言うと運動をしているのは筋肉そのもの。
その筋肉に栄養を運んでいるのは血液・血管。
そして、身体そのものや外からの情報をキャッチして司令塔である脳に正確な情報を送る上向きのエレベーターと、脳からの指令情報を身体の隅々まで連絡する下向きのエレベーターの役割を果たしているのが神経です。
神経が損傷されると、筋肉自体になんのトラブルがなくても動く事や情報をキャッチして脳に伝達する事ができなくなります。
車で言うドライバーが神経。車そのものが筋肉。ガソリンが血液と考えたら理解しやすいでしょうか。
刺激はどう処理される
ある筋肉を揉みほぐされると言う事例を具体的に考えてみましょう。
「揉まれる」と言う刺激が身体に入ってきました。
筋肉は「押されているよ。筋肉が圧迫されているよ。血液が止められるよ。」と上向きのエレベーターで脳に情報を送ります。
すると「それは大変だ、押されている筋肉に軟性を持たせ、血液を流して助けなければ」と下向きのエレベーターで指令を送ります。
従ってその指令の通りに身体は押されている箇所の組織が虚血にならないよう血流量を増やし、軟性を取り戻そうとします。
また、神経は痛みを感じる担当や温度を感じる担当、自身がどんな位置で身体を保っているのか理解する担当など様々な役割分担がなされています。
セラピストはその役割分担の特性を利用して身体のあちこちに押す、温める、伸ばすなどの刺激を入れてフィードバックされる反応で私たち受け手の身体を楽にしてくれるのですね。
だから得られる揉みほぐしの効果
単純に押して、揉んで、引っ張って。そう見える揉みほぐしマッサージやボディケア。
しっかりと「ある反応(筋肉が緩む)」を起こす為に、身体に一定の刺激を入力し適宜反応を起こさせると言った効果が期待できるのはこれらの身体の生理的な作用機序が働いているからなのですね。
と、言う事は、
「強く揉む」「伸ばす」など私たち受け手側の好みと
「押す」「引く」「温める」など刺激の入力方法の組み合わせが、セラピストさんの
「合う」「合わない」、また翌日
「楽になった」「何の変化も感じられない」に繋がるのは納得ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
身体を揉みほぐし、マッサージすると楽になるのは感覚的にわかっていても、どうして楽になるのか?と聞かれるとよくわらかなかったりしますよね。
今回は少し難しい内容になりますが、揉みほぐしマッサージやボディケアの効果を科学的根拠に基づいて説明しました。
セラピストがどこまで考えて施術を行っているのか?
揉みほぐしマッサージやボディケアを受けるお店選びの参考にしてくださいね。
お一人お一人のお悩みに真剣に向き合います。
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